睡眠時無呼吸症候群といびきの治療には「あご」が大切

睡眠時無呼吸症候群という病名を耳にしたことがある方は多いと思います。
睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、いびきをかく方が多くて、いびきは、無呼吸の前兆だと言われています。
眠っている間のことは自分ではわかりませんし、自覚症状もあまりないので、ほとんどの場合、家族や身近な人に指摘されて気づきます。
いびきがうるさいと迷惑をかける、恥ずかしくて友達と旅行に行けないなどの理由で、受診される患者さんが多いのですが、実は、いびきの原因になっている病気に目を向ける必要があります。

今回は、睡眠時無呼吸症候群といびきの治療には、顎の位置が大切であることを、お話していきます。
無呼吸やいびきの仕組みを知り、あなたの睡眠を見直す参考にしてください。

睡眠時無呼吸症候群とは？

睡眠時無呼吸症候群（Sleep Apnea Syndrome)の頭文字をとって、「SAS(サス)」と呼ばれることもありますが、その名の通り、眠っている間に一時的に呼吸が止まってしまう病気です。
医学的には、10秒以上呼吸が止まった状態を無呼吸とし

・1時間の睡眠中5回以上無呼吸がある
・7時間の睡眠中に30回以上無呼吸がある

のいずれかが確認されると、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

症状としては、無呼吸の他に、いびき、寝汗、口呼吸をするために起床時の口の乾き、疲労感があげられます。
睡眠時に何度も覚醒され睡眠障害になると、日中の眠気、頭痛などが起きてきて、日常生活に支障が出てきます。

睡眠時無呼吸症候群と顎の位置は、とても大きく関係している

①顎が下がると気道が圧迫される

私たちはいつも、空気を鼻から吸って、気道から体の奥へと送っています。
気道をストローに置き換えて考えていただくと分かりやすいと思いますが、空気の通り道であるストローが圧迫され、折れてしまったら、空気の通りが悪くなりますよね。
顎の位置が奥へグッと下がると、気道が圧迫されて、空気の通りが悪くなります。
顎が前へ出る分には、気道が広がりますので、大丈夫です。

寝る時に仰向けになると、重力が働いて、顎が奥へ下がりやすくなります。
顎が下がりやすい人、下がりにくい人とタイプがあるのですが、顎が下がりやすい人は、思いきり気道を圧迫して、まずはいびきをかくことから始まり、睡眠時無呼吸につながります。

②顎が下がると舌が落ちて気道を塞ぐ

顎がグッと下がった時に、舌も奥へ下がり喉の奥に沈下してしまい、気道を塞いでしまうため、睡眠時無呼吸を起こすことがあります。
これを防ぐためには、マウスピースをはめて、顎を前の位置で固定して寝ると、舌が喉の奥に沈下することなく、気道が保たれて、睡眠時無呼吸症候群が改善できます。

下顎が小さい人は要注意！

面長で下顎が小さい顔の人は、顎が奥に下がりやすいので、要注意です。

現代人は、食生活の変化などで、顎の筋肉が発達しなくなり、骨格にも影響が出てきています。
これからも、小顔の人が増えていくと思われますので、睡眠時無呼吸症候群の患者さんも増えていくかもしれません。

まとめ

睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に一時的に無呼吸になる病気です。
顎の位置が奥に下がってしまうことで、気道が圧迫されて、空気の通りが悪くなり、いびきをかくようになります。
また、顎が下がると舌が喉の奥に沈下して、気道を塞いでしまいます。
これらの状態が無呼吸を引き起こし、睡眠障害から、日常生活での異常な眠気、頭痛や倦怠感につながります。
集中力が続かないので、勉強や仕事の妨げにもなりますし、車の運転をする人は、ご自分の命だけではなく、多くの人の命も危険にさらすことになります。
睡眠時無呼吸症候群は、事故や怪我を引き起こすリスクが増えるうえに、高血圧や心疾患を合併するリスクもある危険な病気ですが、マウスピースを使った治療で、多くの患者さんは改善していきます。
「いびきが酷い」「呼吸していなかった」などと指摘されたら、放っておかずに、すぐに受診しましょう。
早めにしっかり治療し、安全で快適な睡眠をとり、毎日の生活を健康的に送りましょう。

デンタルクリニックツジは、神戸・芦屋市で最新の技術と設備による、安心・安全な歯科治療、インプラントを提供する歯科医院です。
睡眠時無呼吸症候群の患者様の不安やお悩みにも、丁寧な問診から検査、治療に使うマウスピースの作成やアドバイスまで、誠心誠意サポートさせていただきます。
睡眠時無呼吸症候群・いびきに関するお悩みやご相談は、デンタルクリニックツジまで、お気軽にお問合せください。