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歯の詰め物について

 2018/02/24 虫歯治療 その他
この記事は約 6 分で読めます。 4,659 Views

1度も虫歯になったことがないという方は、少ないと思います。
小さな虫歯の場合は、歯を削って、その部分に詰め物をしますね。
歯の詰め物には、いくつかの素材があり、それぞれに特徴があることをご存知でしたか?
歯の詰め物は、一度つけると破損や劣化、歯の根っこの治療などで、作り直しが必要にならない限り、数年間使い続けることがほとんどです。

今回は、歯の詰め物の種類と、その特徴をご説明します。
ご自分に最適な詰め物を選ぶ時に、参考にしていただければと思います。

詰め物の素材は4種類

虫歯治療では、虫歯を含む歯を適した形に削り、型取りをし、適合する形のものを作り、セメントで固着します。
インレーと呼ばれる詰め物の素材は、大きく分けて4種類あります。

①銀色の詰め物(銀)

歯の詰め物と聞いて、一番思い浮かぶのは、銀歯ではないでしょうか?
銀を50%以上含み、金12%、他にパラジウム、亜鉛、銅などの合金で作られています。
銀色の詰め物には次のような特徴があります。

・硬い金属でできているので、詰め物自体が割れることは、ほぼありません。
・硬すぎるゆえに、噛みあう歯が割れたり、欠けたりすることがあります。
・歯との間に隙間ができて、治療後に虫歯が再発してしまう可能性があります。
・口を開けた時に、銀歯が見えてしまうため、見た目の問題があります。
・長期的に錆びて、金属が溶けだし、金属アレルギーを起こすことがあります。

 

②金色の詰め物(ゴールド)

金を75%~84%含み、銀、パラジウム、亜鉛、銅などの合金で作られています。
ゴールドと言われていますが、金歯と言ったほうがわかりやすいでしょう。

・歯と同じくらい硬い金属でできているので、丈夫です。
・銀の硬さに比べ、歯の硬さに近いため、他の歯を傷める危険性が少ないです。
・歯と密着するので、接着面から虫歯が再発しにくいです。
・口を開けた時に、金歯が見えてしまうので、見た目の問題があります。
・銀歯と比べて、金属アレルギーにもなりにくく、体に優しい素材です。
(ゴールドに対しても、アレルギーを起こす人は稀にいます。)

 

③プラスチックのような白い詰め物(レジン)

レジンという合成樹脂で作られた白い詰め物です。

・プラスチック素材なので、割れやすいです。
・長年の使用で磨耗、変色、劣化しやすいです。
・歯の色に近いので、見た目はあまり目立ちません。

 

④セラミックの白い詰め物

金属を使わない、セラミックの白い詰め物です。

・歯の硬さに近いので、磨り減りにくく、割れにくいです。
・長年の使用で、変色、黒ずみが起きる可能性が低いです。
・歯垢がつきにくいです。
・金属を使わないので、自然な色調になり見た目がきれいです。

 

それぞれの歯に適した詰め物を選ぶ

歯には、奥歯と前歯がありますね。
詰め物を詰める歯によって、適した詰め物が違ってきます。
ここでは、歯の部位ごとに、適した詰め物をお伝えします。

①奥歯にはプラスチックの白い詰め物(レジン)は不向き

奥歯は、歯の奥にある4本の歯のことで、上の歯、下の歯、それぞれに外側に山、真ん中に谷、内側に山があります。
この上下の歯がお互いに山と谷で噛み合うことを、噛み合わせと言います。
奥歯の噛む面にはシワ(細かいギザギザ)があり、上下の歯のギザギザで物を噛みつぶし、すりきっています。
やすりのように食べ物を噛みつぶしているので、このギザギザは必要なものなのです。

奥歯に詰め物をする場合、白いプラスチックの詰め物(レジン)では強度が足りません。
レジンは、噛むことによって、すぐ磨り減ってしまい、数か月で歯のギザギザがなくなるので、噛んでも物がきちんと噛みつぶせなくなります。

切れない包丁で切ろうとすると、無理に力を入れて切るのと同じで、歯も噛み切れが悪いと力を入れて噛もうとし、その歯に余計な力がかかって、歯が折れたり、欠けたりして悪くなってしまうのです。
そのため、見た目では少々問題はあっても、奥歯は、ある程度磨り減らない金属で治す必要があります。

そうは言っても、見た目重視で白い詰め物を入れたいという場合は、保険適用外で金額は高くなりますが、セラミックの詰め物で治すことになります。

②前歯はレジンでも問題ない

奥歯と違って、前歯には、それほど強い力がかかりません。
また、見た目も気になる部分ですから、白いプラスチックの詰め物(レジン)で治しても問題ありません。
ただ、レジンは使用しているうちに、どうしても変色したり、磨り減ってきたりしますので、治療した歯を長くきれいに保ちたい場合は、やはり保険外治療で高くなりますが、セラミックの詰め物で治すこともできます。

費用面の違い

日常生活に支障がでないように、歯を保護する治療を行う時に、保険が適用されます。
「食べる」「話す」などの生活レベルを維持するためと考えてください。
「見た目をきれいにする」「目立たなくする」といった部分は、保険では認められません。

①保険診療・   銀   ・1,500~3,000円 くらい(公的保険適応3割負担の場合)
②保険診療・  レジン  ・1,000~1,500円 くらい(公的保険適応3割負担の場合)
③保険外治療・ ゴールド ・30,000~70,000円 くらい
④保険外治療・セラミック ・40,000~70,000円 くらい

ゴールドやセラミックが高額なのは、素材の原価、歯科技工士が精密に作る手間と時間、保険が適用されないことが費用に反映されているからです。

注意すること

・セラミックの詰め物は、力がかかると割れやすいという欠点があるので、患者さんによって、噛む力が強い人は治療できない場合があります。

・金属の詰め物の場合、金100%の純金の素材でできた詰め物はありません。
数種の金属の合金を使用するため、長期的には、金属の有害ミネラルが溶けだし、金属アレルギーを起こす可能性があります。
心配な方は、歯医者さんに相談して、レジンやセラミックで治療することを考えましょう。

まとめ

このように、歯の詰め物には様々な種類があり、それぞれの特徴があります。
小さな虫歯に詰める、小さな物質ですが、体の一部になるものです。
詰め物がどれくらい長持ちするかで、ご自分の歯の寿命も変わってきます。
ご納得いくまで、歯医者さんと相談して、ご自分に合った詰め物を選んでください。
そして、詰め物を入れた後は、定期的なメンテナンスをして清潔を保ち、長持ちさせてくださいね。

 

 

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