インプラントのデメリット〜天然歯との違い〜
インプラント治療は、顎の骨の中に人工の歯根を埋め込み、そのうえに天然の歯とほとんど見た目が変わらない人工の歯を入れる治療法です。
見た目だけではなく、自分の歯と同じように、しっかり噛むことができるので、インプラントは第二の永久歯と呼ばれることもあります。
歯を失った後に回復する方法としては、インプラントは、唯一、しっかりした歯を作れる方法なのです。
では、インプラントと天然歯は、いったい何が違うのでしょうか?
それぞれの構造や周囲の組織を比較しながら、その違いをご説明いたします。
インプラントは金属でできている
インプラントは、チタンという金属でできています。
チタンは、軽くて強く弾力性もあるので、強い力がかかっても壊れにくく、金属ですから虫歯になることもありません。
そういう意味では、インプラントは天然歯よりも丈夫だと言えます。
しかし、インプラントの周りの歯肉が細菌感染すれば、歯周病(インプラント周囲炎)にはなります。
インプラントには歯根膜がない
インプラントと天然歯の断面図を比べてみましょう。
天然歯の周りには、歯根膜と呼ばれる薄い膜があります。
この歯根膜の役割は次の通りです。
◇食べカスを外へ吐き出そうとする力がある
◇噛む力をやわらげるクッションの役割をする
◇知覚神経が存在し、無理な力がかかった時に回避する能力がある
◇歯周組織を回復する力がある
しかし、インプラントの周りには、歯根膜がなく、骨とインプラントが直接結合しています。
そのため、次のような弱点があります。
◇食べカスを自然と吐き出そうとする力がない
◇グッと噛む強い力が加わった時に、力がダイレクトに伝わってしまう
◇知覚神経がないので、異常な強い力を回避できず、インプラントが弱ってくる
インプラントは歯周病が進行しやすい
食べカスが歯茎とインプラントとの境目に入ってくると、インプラントも歯周病になります。
この状態をインプラント周囲炎と言います。
インプラントは歯根膜がないので、汚れや細菌が溜まりやすく、歯周病になりやすい特徴があります。
それに加え、歯根膜に付着している繊維が、天然歯は垂直なのに対し、インプラントは、水平なので、歯肉が剥がれやすく、炎症を起こしやすいのも特徴です。
また、天然歯は、歯肉や骨、歯根膜の3か所から血液供給がありますが、インプラントは歯根膜がないため、歯肉、骨の2箇所からだけの血液供給となります。
そのため、感染に対する防御反応が天然歯より劣り、いったん炎症が進むと天然歯より早く骨の吸収が進行していきます。
さらにインプラントは、感染を起こしても自覚症状が認められないことが多いので注意が必要です。
インプラントを守るために必要なこと
インプラントを歯周病から守るためには、天然歯よりもきめ細やかな日頃のお手入れが必要です。
◇歯周ポケットを意識したこまめな歯磨きをしっかりする
◇歯医者さんで定期的にクリーニングする
◇歯医者さんで噛み合わせの調節をする
◇噛み癖からインプラントを守るために、就寝時のマウスピースを装着する
など、セルフケアと定期的メンテナンスを共にしっかり行っていく必要があります。
インプラントは、永遠に持つものではありませんが、しっかりケアができれば、長く持たせることはできます。
歯医者さんの指導のもと、歯周病を予防していきましょう。
まとめ
このように、インプラントは見た目や噛む力においては、限りなく回復できたとしても、感覚や周囲の組織は天然歯とまったく異なるものです。
虫歯にはなりませんが、インプラント周囲炎という歯周病にはなり、一度感染すると進行が早く、自覚症状がないままに悪化してしまう場合があります。
そのため、天然歯よりも注意深く、お口の中の清潔を保ち、歯周病を予防する必要があります。
デンタルクリニックツジは、神戸・芦屋市で最新の技術と設備による、安心・安全な歯科治療、インプラントを提供する歯科医院です。
インプラント治療に関するお悩みやご相談はもちろん、噛み合わせ、歯周病のご相談にも、丁寧にお応えします。
歯磨き指導や、定期的なクリーニング、噛み合わせの調整など、インプラントを長持ちさせるために、誠心誠意サポートさせていただきます。
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